和楽題 宙之抄 六十一、朝影 ゆらりと漂う強い想いが、やつれた姿に憐れだった。 六十二、空悋気 激しい愛しさと束縛が、自分の周りには張られていたのだ。 六十三、夕彩 普段は見るだけで苛々するほど嫌いだったのに。 六十四、星影 あの日の希望が、また見れた。 六十五、天狼 何もかも溶けそうな暗闇に、何より燦然と輝くあの星を見ると、遥かな約束を思い出す。 六十六、煌星 あの優しさが、光り輝くものを、いつも後ろに振り撒いている。 六十七、月夕 伸びる影と月との会話。 六十八、雨月 濛々とたちこめる霧の中で、女はそっと呟いた。 風が強く吹いたある日、ふと幸せな笑顔を思い出す。 六十九、月華 優しく静かに、私にみせる。 七十、 空の雫 ぽつっと落ちるそれで、他人事じゃなくなった。 |