ある日突然走れなくなった




あれほど清々しかった朝は

小石で目を付けた雪うさぎのように

中途半端に不快なものになった



苦労を共にしてきたはずのスパイクは

使い終えたティッシュの空き箱より

つまんないものになった



今この瞬間を自分が一番損してるとわかっても

無理矢理足を入れてみても

嘘を吐いている気分しかなかった




ねこにあった

大事なスパイク勝手に履いた

楽しそうに足踏みなんかして




くやしくて涙が出た