寝たのは、明け方だった。
朝も昼もなく眠りこけて、目を覚ました。


どうやら、一人のようだった。
家は、灯りが点いたまま、少しひんやりとしている。
何かの小説で読んだような、
今は隙間の時間なんじゃないか、と彼女は思った。
気配が何もなかった。


ふと、家に違和感を覚えた。
こんなにドアが多かっただろうか。
この向こうは何が在ったのか、思い出すことができない。
不規則な生活を呪った。
開けて驚くような光景が広がっていたら、
と落ち着かない気分でノブに手を掛けた。