虹をつかむ。束ねてみる。 折り重ねて増す輝きを見て、それで貴方の髪を束ねてみる。 長さは足りないけれど、貴方の明るさを撥ね付けるかのような厳しい髪を。 コントラストが美しくて泣きたかった。 虹は耀いていた。眩しくて眩しくて。 漆黒が照らされた闇のように染まっていく。 突然さぁっと嘗めるように。色は定まらず揺らめいている。 だんだん貴方自身も染まる肩が、指先が、睫毛が。 虹を羽衣にして貴方を逃してなるものか。 手を触れる、あっ、と思う。 貴方はもう虹そのものだった、あたしが触れたのは、水の粒、輝く光。 貴方はこちらに耀くように微笑んだ。 目が痛いくらい眩しかった。 あたしの中では貴方はそんな風にいなくなった。 |