#51 私が何を犠牲にしてもあなたの幸せを望むの あなたには私のために何も犠牲にしてほしくはないの あなたはきっと泣くから すごいエゴなんだけど 私の望みなの #52 そいつは、やたらと空の写真ばかり撮っている人が苦手だった。 素直でないそいつには、儚さばかり青さばかりを愛すような彼らが、 何かアピールしているかのようで、息苦しかったから。 それは私には欲しくない寓話だった。 #53 欲しがってばかりいるのを知られるのが恐ろしかった 逃げられてしまう いつのまにか法螺を吹くのが上手になったのが必然だった 聞いてる間は傍にいる 臆病なのはちっとも変わらなかったのが寂しかった この先も長くそうだろう 縋りつくことより夢見ては慰めているのがプライドだった これだけは今も誇る きっと未来には思い悩んだのが幸せになった きっとそう言える #54 欲しがりなあたしは、 どうすれば幸せになれるのか、 浅ましいぐらいに頭を悩ませた。 何を我慢すればいいのか、何を我慢してはいけないのか。 そこいらの彼女をあざといと 罵れないぐらい考えた。 でも結局、 あたしはあたしが思ってた理想の幸せには弱くて 力もない情けないやつだったから、 それは叶いそうな距離でざらりと無くなってしまった。 でも、あたしは幸せというやつだけは諦めきれなくて、 探すなんて根性なことは言えなくて。 自分が痛くて痛くてたまらなかった。 あたしにできるのはまた、幸せになるために 巡らすこと、叫ぶこと、泣くのを堪えること。 #55 好きや嫌いに臆病だ 自分が移り気なように思うので いつか嫌いになってしまうかも いつか好きになっているかも 誰にだって起こる変化だと思った 時間は大抵のものを解決してしまうので 簡単に言ってしまってはいけないかな 簡単に聞こえても本当なのにな 好きや嫌いと感じることが怖い 願ってばかりでは祈りは届かないので 明日はいいことあるだろうか 明日もいいことないだろうか #56 期待屋なんだと思うの 気分屋とかいるでしょう? ああいうので 期待ばかりしてしまう どうしようのないことばかり いい方にとにかく先の方まで 期待してしまうんだ 夢見ている間は楽しくて ふっと見えてしまう現が切なくて ぼうっとしているものだから うまく対応できないんだ そうしてまた期待する これでも折り合いはうまくついていて だから名乗るの 期待屋なんだって #57 ケータイが大事なものになった 今までだって、メールは楽しんでたけど こんなにケータイを持ち歩くことはなかった #58 誰もが見つけるあのオリオンに願いを託した、 明日への些細な願い、 オリオンが叶えなくてもいい、 でも叶ったら今日の余裕を思い出すだろう、 そんな気持ちで #59 優しさは 眠り姫が触れた針みたい 魅力的に見えて手を伸ばした そんな風に優しさに触れては こんなに無心に頼って いいのだろうか と、思う #60 ひなたぼっこの湖畔、微笑みのたび、 苦しいくらい幸せになって、いつもの夢想を忘れそう。 慌てて目覚まし代わりのカッコウを探したし、 深呼吸をした、 けれど、私はまだ夢から醒めない |